市街化調整区域での農地の活用のしかた
市街化調整区域とは?
市街化調整区域とは、無秩序な市街化を防ぐために都市計画法に基づき地方自治体により定められ、あまり市街化をせず都市化をしようというエリアです。
市街化区域とは街を活性化させるためのエリアで、人が住みやすくなるようにインフラなどの整備が積極的に行われるのに対し、市街化調整区域は自然の景観を損なわないように、また交通騒音を出さないために市街化を抑制するエリアです。
よって市街化調整区域では原則、建物や商業施設を建てるのは禁じられています。
条件をクリアすれば建物を建てられる
都市計画法34条の基準を満たせば、地方自治体に申請をし条件をクリアし建設の許可を得れば、市街化調整区域でも建物を建てることができるようになります。
かなり細かい条件が必要となるため事前にご相談頂ければと思います。市街化を抑制…というのですから細かい条件があるのは当然かと思います。
市街化調整区域内で農地転用する
市街化調整区域内で農地を転用するには、都道府県知事の許可を受けなければいけません。
農地法第4条なのか第5条なのかどちらに該当するかを確認して申請をします。
さらに該当する農地が「青地」なら、転用目的の農地を除外する手続きをして転用許可の申請をする費用があります。
農地における「青地」「白地」とは
日本の農業というのは歴史や伝統が古くからあり、農地を守っていく上で厳しく制限しなければなりません。
その一つに「青地」と呼ばれるものがあり、「農業振興地域内農用地区域内農地」、略して「農振農用地」のこととなります。
きちんとして計画で定められ(農業振興地域整備計画)、10年先農地を確保することとし、原則農地を転用できないとされています。
農業をずっと継続的に行っていくべき農地が青地ということです。
広大な農地の真ん中にぽつんと家や駐車場があればまわりの農地で耕作するのに弊害が出ますよね。
しかしやむを得ず「青地」内の農地を宅地に転用しなければならないときは、農振法に基づき、計画を変更して「青地」から除外する手続きを行い、農地を転用します。
それとは反対に「白地」とは、農業振興地域内にはあるが、農用地区域には入っていない農地のことです。
ここでは農地転用の申請ができますし、農振除外の手続きをする必要もありません。
「青地」か「白地」かを調べてから転用を
転用したいと思っている農地がどっちなのかは、各市町村の担当課に問い合わせれば教えてくれます。
事前に法務局で登記簿を取得するか住宅地図を持っていくのが必要な場合もありますので事前に問い合わせることをおすすめします。
農地を転用したいと思っても、事前に調べるべきことや条件はけっこうハードルが高いものになります。
市街化調整区域で土地をうまく活用するには
市街化調整区域内で農地を転用し、その土地を活用するのにどのようなものがあるか例をあげてみました。
駐車場として活用
駐車場やコインパーキングとしての活用があります。
最近、徳島県などの地方の方でも駐車場やコインパーキングは昔に比べて増えているような気がします。
一軒家の1台分スペースを月極駐車場として登録し賃貸しているお宅も結構いらっしゃいます。特Pというサイトが有名ですね。
月極駐車場であれば職場やその近所になくて困っている方にむけて、農地を転用し宅地にかえ、月極駐車場として賃貸し収益をあげる、といって活用の仕方は地域活性化としてもいいのではないでしょうか。
コインパーキングなら商業施設や駅、繁華街のすぐそばでは地方ではまだまだ不足していると思います。いずれにしても建物を建てるより初期費用を抑えることができると思います。
資材置き場
アスファルトなど整地する必要が駐車場やコインパーキングと比べてあまり無いため、建物を建てることなくうまく活用できるかと思います。
もちろん需要や、立地条件は限られてきますが資材や廃材を置くスペースを必要としている会社は少なくありません。
太陽光発電
これはかなり個人的にはおすすめかと思います。
なぜかというと、駐車場やコインパーキングと比較すると、看板や柵などを建てなくていいことはもちろんのこと、集客方法を全く気にする必要がないからです。
デメリットとしましては初期費用が駐車場に比べれば高額かもしれませんが(規模による)、太陽光発電システムというのはランニングコストがあまりかからないことはあまり知られていないかもしれません。
4年に1回の定期点検があり、相場は2万円くらいだそうです。50kw以上のパネルとなると法定点検が必要で年間に50万円くらいになりますが、売電価格が年々下がっているとはいえ、FIT制度や国が推進しているため、補助金制度なども充実しているかと思います。
墓地や霊園、火葬場など
これもいい活用方法かと思います。市街化調整区域ともともと土地の価格が安いため、墓地や霊園を営む会社にとってメリットです。
今まであげた活用方法より広い土地として提供する必要がでてきますが、賃貸として考えると高い収益が見込めることもあるかもしれません。